Saturday, 15 January 2005

難破船

by 中森明菜

たかが恋なんて忘れればいい
泣きたいだけ泣いたら
目の前に違う愛が見えてくるかもしれないと
そんな強がりを言ってみせるのは
あなたを忘れるため
寂しすぎて壊れそうなの 私は愛の難破船

折れた翼広げたままあなたの上に落ちて行きたい
海の底へ沈んだなら泣きたいだけ抱いてほしい

他の誰かを愛したのなら追いかけては行けない
惨めな恋続けるより別れの苦しさ選ぶわ
そんな一言で振り向きもせず別れたあの朝には
この寂しさ知りもしない 私は愛の難破船

愚かだよと笑われてもあなたを追いかけ抱きしめたい
つむじ風に身をまかせてあなたを海に沈めたい

あなたに会えないこの街を今夜一人歩いた
誰も彼も知らんぷりで無口のまま通りすぎる
たかが恋人をなくしただけで何もかもが消えたわ
独りぼっち誰もいない 私は愛の難破船



なんていうか、まさに失恋ソングですね。「たかが恋なんて忘れればいい」とのっけから言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに「あなたの上に落ちて行きたい」だの「泣きたいだけ抱いてほしい」なんて来ますから。でも、「たかが恋人をなくしただけで何もかもが消えたわ」ってところには、悲しいくらいに共感できるのです。恋人の存在が自分の生活の中に入り込んでいたら入り込んでいた分、失ったときの虚脱感は大きいものですから。その時の気分は難破船。闇の恐怖に包まれる奈落の海の底に落ちゆくだけ・・・

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